業務の効率化やコスト削減は、どの企業にとっても課題であり、企業を経営している限りは行う必要があるものです。最近はITが発達してきており、どの企業もIT投資をするようになってきました。しかし、IT投資はレンタルサーバーや運用のためのシステム構築などが必要になることが多く、コストもかかります。そのため、TCO削減の考え方を取り入れる企業が増えてきています。
TCOとは
TCOとはTotal Cost of Ownershipの略語であり、日本語では総所有コストや総保有コストという意味があります。具体的には、企業の運営に必要なシステムの導入費用やメンテナンスなど定期的にかかる費用などもコストとして考えます。
営業管理システムや顧客管理システムを新しく導入する場合には、システムを動かすためのソフトウェアやハードウェアが必要になります。それらには当然、費用がかかりますが、実際には開発費用やサーバーなどの維持費なども必要です。TCOの考え方が主流になる前は、前者にかかるコストだけを見ていたのですが、後者も含めた全体のコストを考えるのがTCOです。
TCOを考えると、システム運用にどれだけのコストが必要になるかがわかり、費用の抑制にもつながります。例えば、初期費用が安くてもそのシステムの維持には毎月一定のコストが必要であり、後継システムに引き継ぐ場合にもコストがかかることもあるでしょう。TCOを考えていないと、システム導入後にこれらの問題点に気づくことになります。そのため、TCOの算出を行うことが重要とされているのです。
tco削減をするメリット
ITにおけるTCOは以下の4つに分類されます。
- ハードウェアやソフトウェア導入費用
- 情報システム部門の運用費用
- エンドユーザー部門の運用費用
- システムダウンなどの損害対策
まずコスト削減を行いますので、取り組めば取り組むほど無駄な経費を少なくすることが出来ますの、純利益が増えて売り上げがあがります。売り上げが上がるということは社員へもその分還元でき、賞与などに反映すると社員のモチベーションも上がります。
コスト削減は無駄を省くことにもなりますので、仕事も効率的に行うことが出来るようになり、データの管理もしやすくなります。システムもシンプルになりますので、運用しやすくなり、不具合が起きても対応しやすくなります。
ITシステム全体が整理され効率化され、さらに全体を把握しやすくなりますので、新しいシステムなどを導入しやすくもなり、どこに何を導入すべきか、その企業のITシステムに足りない物は何か、無駄な物は何かも把握しやすくなるのです。
ただ目先のことばかり考えて、削減すると後で大きなコストがかかります。たとえばP
導入にしても、コスト削減のために中古PCを導入したとしても、すぐに壊れて結果として余計にコストがかかるかもしれません。このような場合はリースにするという対策もあります。
TCO削減のために行動するべきこと
TCOを削減するためには、初期費用のみならず、導入後も考えて、コスト全体を見渡して削減していくべきです。
目の前の初期費用のみならず、導入するIT機器や利用者数やデータ、導入後の変化は運用コストに大きく影響します。
組織単位の行動
組織単位で考える場合は、総合的にシステムを管理する部門の人件費を削減し無駄をなくすなど、総合的な考えが重要となります。組織や部門ではどのようなITを活用しているか、そしてそのITのコストを削減するにはどうすればい・るべきです。
個人単位の行動
個人単位では、個人個人で使用するPCなど、個々にコスト削減を行っていくのも重要ですが、それ以上に一元管理してコスト削減しやすくするということが重要です。この考え方は社員数が多ければ多いほど考えていかないといけないことです。
それでは、導入後の手間まで考えた、コスト削減の例を見てみましょう。
「サーバーの入れ替え検討をしているが、サーバー管理に手間がかかりすぎているので、サーバーを自社におかずに、外部サーバーを使用し、運用管理はそのサーバー会社に任せ。これによりサーバーの運用管理コストがゼロになります。」
「PCの入れ替えでも、個々の社員の行うPCの設定と、パーティション管理に膨大な時間がかかるので、その手間をなくすためにOSやアプリケーションを一元管理するシンクライアントを導入する。または、キッティングサービスを利用し、事前に設定してあるパソコンを各社員へ配布する、という方法もあります。キッティングサービスは会社の要望にも対応しているので、柔軟に設定をしてくれます。」
このような対策があります。初期費用やランニングコストと共に、導入時や導入後の手間のことも考えてコスト削減に取り組むべきです。
いかがでしたでしょうか? ITを導入している企業にとってTCO削減は大きな課題です。導入後のことも考えてコスト削減していくのが、正しいTCO削減の道と言えます。そしてTCO削減の方法としては、シンクライアントやクラウドサービスやASPなどを検討する場合が多いです。