企業にとって、プリンタは必要な設備のひとつです。近年は印刷だけでなく、コピーやファックスなどにも対応した複合型もあるため、できるだけ安くて高性能なものを選びたいものです。価格もさまざまで、購入以外にリースという方法もあります。どれが良いのかと悩む企業の方もいるでしょう。ここでは中小企業におすすめのプリンタ選びのコツをご紹介します。
ビジネスプリンタとは
プリンタは家庭用とビジネス用があり、両者は大きく特性が違います。明確な定義はありませんが、大量の印刷物を素早くプリントするのが得意な機種をビジネスプリンタと呼ぶことが多いです。そうしたプリンタの多くは大容量のインク及びトナーを採用し、プリントする時の印刷コストも低くなっています。大量・高速印刷、そして低コストという3つの要素をすべて備えていなくとも、一部に特化したプリンタでも企業によっては十分なこともあります。
ビジネスプリンタが家庭用プリンタと大きく違うのが、トナー及びインクの種類です。インクジェットプリンタの多くが顔料インクを採用しており、これは普通紙でもあまり滲まず、紙の表面近くで定着するという特性があります。このインクのおかげで、家庭用プリンタの染料インクと比べて黒が濃く出力されて、用紙がふやけず滲みにくいのです。
ビジネスプリンタでは、用紙セットも100枚から1000枚単位で、またインクも大容量のインクタンクに対応しています。オフィスでは会議資料やチラシ、契約書などを大量に印刷をするので、その用途に応じたプリンタなのです。また、耐久性も数十万枚と家庭用の10倍以上になっています。
業務用ビジネスプリンタの種類
業務用ビジネスプリンタには、インクジェット・レーザー・複合機の3種があります。
インクジェット
家庭用と同じく液体インクを用紙に吹き付けて印刷するプリンタです。解像度は低いですが、低価格で購入できます。
レーザープリンタ
トナー、ドラムを使用し、熱と圧力で紙に押しつけて印刷するプリンタです。インクジェットプリンタよりも、レーザープリンタは印刷できる枚数が多く、解像度もインクジェットプリンタよりも高い場合が多いです。
複合プリンター
印刷機能以外に、コピーやスキャンやFAXなど、総合的なビジネス用機能が1つにまとまったプリンターです。プリンターの中では一番価格が高いですが、多機能で使い勝手がよいため重宝します。
また、ビジネスプリンタには、カラーで印刷できるタイプ以外に、白黒しか印刷できないモノクロのみのプリンタもあります。コスト面では、モノクロプリンタが最も安くなります。
業務用ビジネスプリンタの選び方
業務用で使うプリンタを選ぶには、コストと業務効率を考慮し、以下のポイントに注目しましょう。
業務で印刷する量
印刷する量や、一度にプリントする枚数が多いなら、プリント時間が速いレーザープリンタや複合機を探しましょう。特に給紙も100枚単位でセットできるような、大量印刷向けの機種がおすすめです。
逆に印刷する枚数がそれほど多くないなら、インクジェットプリンタで十分です。文字などしか印刷せず、カラーの図表や写真などが必要なければ、モノクロプリンタでも事足りるでしょう。
画質
画質は文字しか印刷しないならレーザープリンタで十分ですが、デジタル写真や画像など、カラーでの印刷が多いならインクジェットプリンタが良いでしょう。レーザープリンタは文字などを印刷する場合には非常に鮮明ですが、色の再現度が低く、写真並みに綺麗には印刷するのは難しいとされています。
ランニングコスト
レーザープリンタなどのトナーを使うタイプは大量印刷をするときのコストパフォーマンスが高いです。インクジェットプリンタのランニングコストは高めですが、その分本体価格が安く、初期投資が少額で済みます。プリンタを頻繁かつ大量に使うのであれば、レーザープリンタを選ぶとよいでしょう。
A3印刷に対応しているか
印刷する用紙についても検討しましょう。複合機でもA4までしか対応していない機種もあるため、資料や図面を印刷するときに不便が生じることがあります。A3対応機種ならA4も印刷できますが、A4まで対応の機種でA3用紙の印刷はできません。
サポートが充実しているか
買って使用してからのサポートを考えるなら、複合機は保守契約を締結した場合のサポートが手厚いケースが多いです。トラブルが発生すると、そのまま現場までメーカー保守担当のサービス担当が来てくれます。しかしレーザープリンタやインクジェットプリンタを購入した場合は、トラブルが起きて印刷できなくなると、メーカーまで一度プリンタを送って修理を受けなければならないケースもあります。
サポートの質としては、どこのプリンタメーカーでもサポートデスクがあるので、メーカーごとに大きな差はないといえるでしょう。
お得な使い方
ビジネスプリンタを買ったなら、一番コストがかかるのがトナー、インクなどの消耗品です。プリンタではインクリボンやインクタンク、トナーを使用して印刷します。当然のことながら、インクやトナーがなくなれば新しい物に取り替えないとなりません。印刷を多くすればするほど、消費は激しいので、それだけコストもかかります。
とくにレーザープリンタを使う人はこのコストを下げたいと願っている事も多いでしょう。そんな時はリサイクルトナーがおすすめです。ランニングコストは通常のトナーよりも安く済みます。またインクだとリサイクルインクや互換インクがあり、これらも純正よりも安いです。
色合いが純正と違う、不具合が発生しやすいと言われてはいますが、純正品のカートリッジ筐体を用いたリサイクルトナーなら品質にはほとんど差がありませんし、繊細な色合いが重要な写真やイラストの印刷でなければ問題にならない程度です。コストを安くしたい場合は検討してみましょう。
ビジネスプリンタも家庭用プリンタと同じように、用途に応じて選びましょう。機種によっても価格が違い性能も変わってきますので、価格の他にインクやトナーのことなども考えて選ぶとよいでしょう。リサイクルトナーを利用するとコスト削減が可能です。”