トナーカートリッジにはICチップがついています。では、トナーカートリッジについているICチップの働きはどのようなものがあるのでしょうか。
トナーにチップが付いている理由
トナーカートリッジにICチップがついている理由は、トナーの残量検知をするためです。つまりトナーがどのくらい残っているのか、容量を量るためのものなのです。また、空摺りを未然に防いだり、新たにトナーを詰め替えてから次の交換時期までを判断するうえで欠かせません。
トナーの残量が少なくなると、ICチップが働き始めて、プリンタが「トナーの残量が少ない」という勧告ダイアログを出すようになります。
そしてさらに残りが少なくなるとトナーカートリッジの交換を促すダイアログが表示されるようになります。このようなトナーの残量を教えるという働きがICチップにはあるわけです。ICチップはトナーの残量を正確に判断し、交換時期を知らせてくれるとても重要な働きがありますので、ICチップの働きが悪くなっている場合には交換の必要性も出てきます。
使っていないのにトナー切れになるのはチップのせい?
新品のトナーをセットしたにもかかわらず、印刷されることなくトナー切れのエラーが出るというトラブルはよくあります。
これは、キャリブレーションと呼ばれる自動調節機能によってトナーの交換時期が、予想より早まっていることもあります。電源がオンの状態になってからオンラインになるまでの間、起動されるのがキャリブレーションです。
動作中には同じようにドラムも回転しますので、ICチップ内のカウンターは上がっていきます。つまりトナーも消費されているのです。
その結果、印刷していなくてトナーがどんどんと減っていき、ドラムカウンターは上がっていきます。
これが使っていないにもかかわらずトナー切れになってしまう理由の1つです。
ドラムカウンターが上がれば上がるほど、トナーの残量は少なくなったと判断されてしまい、ICチップはトナー切れを警告します。なぜ全く使用していないのに、トナーが減ってしまうのか疑問に思われているのであればキャリブレーションに注目してみてください。
また、トナーを補充してもリセットされなくなっているような場合には、ICチップがトラブルを起こしている可能性があります。チップが異常を起こしている場合、ICチップ部分を綿棒などで掃除してみるのも良いでしょう。ICチップがしっかりと機能していなければ、トナーの残量を正確に知ることもできなくなってしまいます。
しかし、強く掃除してしまうと破損の原因になりますので、あくまで優しく清掃してください。それでも正常に作動しない場合には、プリンタの排出部の読み込み部分などに不具合がある可能性もありますし、ICチップ自体になにかしらの問題が起きている可能性があります。
リサイクルトナーではチップを交換する必要がある?
リサイクルトナーの場合、リサイクルされる際に、トナーに備え付けられているチップを新しいものに交換されているものか、しっかりと動作確認をされたものになります。そのため、リサイクルトナーを使うことで、合わせてICチップを交換する必要があるのではないかと心配している人もいるかもしれませんが、その必要はありません。
このようにトナーカートリッジのICチップは重要な機能を担っており、ICチップがあることで安定して印刷できるようになっています。ICチップの機能が妨げられると、不具合の原因となる可能性もありますので、正常に作動しているか定期的にチェックしてみて下さい。