トナーはどうやって作られる? 成分と製造法

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プリンタに使われるトナーは、液体のインクとは異なり、粉状になっています。そのような粉のトナーは、どのように製造され成分などは何で出来ているでしょうか?何故紙に印刷することができるのでしょうか?トナーの成分と製造法を見てみましょう。

トナーの成分

トナーは、5ミクロン程度の非常に小さな粒の集まりであり、この粒に材料を加えて、トナーとして製造します。元々透明な樹脂を使いそれを粉にして、トナーにしていきます。

顔料

樹脂の粉だけでは紙に付けても色は付きませんので、顔料という色材が入っています。顔料は色の元になる成分で、顔料があるからこそ絵の具のように、紙に色を付けることが出来るのです。カラープリンタにはブラック、シアン、マゼンタ、イエローなどの色が主に使われます。

プラスチック樹脂

トナーの粉の元となる材料です。樹脂は元々粉にはなっていませんが、トナーに使う樹脂を粉々にしていくことによって、ミクロン単位の細かい粒子になります。細かい粒子にすることで、トナーとして使えるようになるのです。

ワックス

プリンタでは、トナーはローラーによって圧着します。ローラーに熱を加え、その熱で紙にトナーを付け熱と共に圧力を加えることで、紙にトナー粉が定着し、印刷が出来るのです。しかし熱を加えるとトナーは溶けて紙に付着しますが、一部はそのままだとローラーにも付着してしまいます。ローラーに付着しないようにワックスを混ぜているのです。

トナーの製造法

トナーの製造方法は、粉砕法と重合法の2種類があります。

粉砕法

樹脂を溶かしてそこにトナーに必要な顔料などを加え、均一に混ぜます。均一に混ざった樹脂を冷やし、固まったら今度は粉々に粉砕し、小さな粒子にする方法です。粉砕するのでトナーは顕微鏡で見ると角張った粒子になります。

重合法

トナーの元となる樹脂やワックスや顔料を容器の中に入れて、接着剤と重合剤を入れることで、トナーに必要な成分が粒子となって粒になって固まります。成分をくっつけていく製造法になり、重合法で作ったトナーは、顕微鏡で見ると丸い形の粒子になります。

トナーは有害?

トナーは粉がカートリッジから漏れて、空気中に漂わないように配慮して作られています。しかしそれでもトナーが漏れて空気中に拡散し、それを吸い込んでしまうことはあります。そのようなことを考え、トナーに使われる成分は人体や環境に害がないような成分で作り、また成分1つ1つを検査し、有害物質が含まれていないか確かめられています。このために毒性はないですが、それでも吸い込んでしまうと肺には良くありません。吸い込むと病気なるリスクは少ないとは言えますが、アレルギー反応などを引き起こす可能性はあります。トナーを扱うときは、手袋やマスクをする、トナーを扱った後は手などを洗うなどのことはした方が良いでしょう。

それと同時に粉塵爆発の危険もあるため、火気のあるような場所ではトナーは使わないようにしましょう。実際にトナーでの粉塵爆発の事故はあまり見られませんが、万が一爆発してしまうと多大な被害を受けます。トナーやカートリッジを分解するようなことは、トナー粉が飛び散るので止めましょう。

体に入ってしまった時の対処法

間違ってトナーを吸い込んでしまったときは、病院に行ってきちんとした処置をしてもらいましょう。目や口に入ったときは、応急処置として水で洗い流します。皮膚に付着した場合も、その部分を水で洗い流しましょう。すぐに洗い落として影響がなければ問題ありませんが、目や口や肌に刺激が残る場合は、必ず医師の診断を受けてください。

また比較的トナーは小さい子供の手の届かないところに保管しましょう。保管するときはトナーを買ったときの袋に入れて保管するべきであり、袋に入れればトナーが飛び散る心配がありません。直射日光の当たるところや高温になるような場所での保管は止めましょう。トナーを扱うときは、分解したりするようなことはせず、乱暴に扱うとトナーが飛び出ることもあります。

トナーは大変小さな粒であるために、カートリッジの隙間からも漏れやすく、少しの風でも飛び散ってしまいます。トナーの成分には毒性はありませんが、吸い込んだりしたら、必ず医師に診せるようにしましょう。

トナーは液体のインクと違い、粉末状なので専用の製造方法で作られます。そして顔料を加えることでインクのように紙に印刷することが出来るようになります。トナーは粉になっていますが、ミクロン単位のとても小さな粒であり、この粒がプリンタ用紙に付着することで印刷が出来ます。トナーは人には害のない成分で作られてはいますが、粒子なので吸い込むと体には良くありません。気になるようであればマスクをしてトナーを扱った方が無難です。また手などに付いたら水で綺麗に洗うようにしましょう。体への影響とともに、トナーは舞い散って火が付くと粉塵爆発を引き起こすので、火気のないところで扱うというのも重要です。

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