今やプリンタは生活に欠かせないものの一つとなってきています。特に業務で使う場合には、必要な書類を印刷する際に欠かせません。しかし、印刷をするには様々な消耗品を利用することになります。その中でも特に消耗するのがトナーです。トナーカートリッジは使用すればするほど残量が減っていき、交換しないと印刷ができなくなってしまうのです。ではトナーカートリッジとはどのような構造で機能しているのでしょうか。また、最近注目されているリサイクルトナーとはどのようにして製造されているのでしょうか。
トナーカートリッジの構造
トナーカートリッジとは、トナー粉が入った部分を含む部品全般を指します。いわばプリンタにとっては印字に直結する心臓部分のようなものです。その内部の構造はとても複雑で、ドラムという帯電させた円柱状の表面に、光によって印刷したい文字や図形を描き、そのドラムとトナーの間に印刷用紙を挟み込んで、トナーを印刷用紙に吹き付けることで印刷を可能にします。言い換えると、トナーはドラムに光によって描かれたものを印刷用紙に転写するための部分というわけです。
このトナーカートリッジに異常が発生すると、紙に転写できない状態になります。内部を構成する部品として、新しいトナーが保存されているトナーボックス、トナーを適量に供給するためのドクターブレードという調整部分、マグローラーと呼ばれるトナーを感光体に供給する部品、クリーニングして不要となったトナーを回収するための廃トナーボックス、そしてその廃トナーの逆流を防止するためのリカバリーブレードなどがあります。
とても複雑なため、専門家でなければどの部分が不調なのかを判断することは簡単ではありません。また、トナーカートリッジはドラムと分離しているものもあれば、ドラムと一体になっているものもあり、一体型の場合には当然ドラムユニットも含めてすべて交換することが必要になります。
自分で詰め替えは可能?
トナー粉を用意すれば自分で減ってしまった分を詰め替えることはできるのでしょうか。もちろん、トナーカートリッジの構造によっては、トナー粉を入れ替えることは可能ですが、専門的な知識がないと、詰め替えのための分解作業ができない可能性が高いといえるでしょう。
また、トナー粉を入れるだけでなく、クリーニングをして印刷の品質を維持することも必要です。クリーニングのことまで考えるとなおのこと自分では行わずに専門の業者に依頼するほうが良いかもしれません。万が一、自分で分解して戻せなくなったりしないように万全を期しましょう。
リサイクル工程
トナーカートリッジはリサイクルすることが可能です。その工程の最初に行われるのが、トナーカートリッジ事態に傷や破損がないかどうかのチェックです。ここでもし、傷があるのにリサイクルを行っても印刷品質に問題が生じ別の修理が必要になるため、必ず行わなければならない工程となります。その後傷がないことが確認されたトナーカートリッジは分解され、各部の動きに異常がないかを入念にチェックされます。動作チェックが完了したら、古いトナーをすべて除去してカートリッジのすべての部品をクリーニングします。
こうして新しいトナーを充填するための万全の整備が行われてから、新しいトナーが充填されるのです。もしもドラムユニットの交換も行う場合は、新しいドラムに交換する作業も行われます。そのほか故障はしていないものの、経年劣化で摩耗してしまっている種々の部品があれば新しいものに交換されます。
こうして内部の細かい部品も含めたチェックが完了したのち、いよいよ組み立てになります。組み立てた後には、プリントテストを行い印刷品質に問題がないかどうかも点検されます。こうした品質テストにも無事に合格したのち、梱包され顧客のもとに返送されるのです。こうしたトナーカートリッジのリサイクルや、印刷時のトナーセーブ機能を合わせて活用すれば、プリンタ使用に伴うコストを大幅に軽減することができるでしょう。
純正品の場合に比べてリサイクルトナーは初期不良が起こりやすいという傾向もありますが、十分に品質や内部構造のチェックを経て出荷されるものは使用に関しても十分な満足度を得られるでしょう。業務に導入する場合には、かなりのコストの削減につながりますので、検討の価値はあるでしょう。
プリンタはオフィスに欠かせないOA用品となっています。消耗品であるプリンタ内部の様々な部品をいかに節約し、交換に必要なコストを下げることができるかは企業にとっても注目すべきポイントとなるでしょう。適切なプリンタの購入や、トナーカートリッジの交換を行えるように、まずは内部の構造を簡単に理解しておくと選ぶ際に役に立ちます。リサイクルトナーの導入の際にもどのような工程でリサイクルされるのかを確認し、信頼できる業者を選ぶことがお勧めです。